塗装・印刷表面ムラ、射出成型のフローマークに最適な測定器
ムラ・モットリングとは
ムラ・モットリングは塗装や印刷工程後に発生する、モヤや雲のように不均一で不規則な色調やコントラストの差が発生する視覚的現象です。特に特殊効果コーティングやメタリック顔料で目立ちやすいと言われています。これらの不規則でまだらなムラ・モットリングは、通常目視で確認できモットリング効果とも呼ばれたり、 雲(クラウド)を連想させることもあります。 この効果は、大きな車体パネルで特に目立って見えます。この現象は、アプリケーションプロセスの変動と同様に、塗膜形成によって引き起こされます。 例えば、メタリックフレークの不揃いやベースコートの塗膜厚さ変動はいろいろな大きさの斑模様を引き起こし、結果として不均一な外観となります。
ムラ・モットリングの知覚原理
モットリングの感じ方は、観察する距離に依存します。大きなムラ・モットリングは遠い距離で見られ、小さなムラ・モットリングは接近した時に目立ちます。モットリングの目視評価は、照明条件や観察距離および視野角に依存するので、人によっての評価がばらつきやすい極めて主観的になります。
光源、観察角度、観察距離などの条件で認知するムラのサイズが異なり、50~100mmのムラを認識します。 最大でも25~200mm程度。 目視での検査及び測定機での計測は最低300 x 500mm のパネルサイズを推奨されます。
角度変化による目視評価結果の違い
ムラ・モットリングは、観察者と光源の角度によって見え方が異なる事があります。特にエフェクト顔料を使用した塗料・インクを使用した塗装・印刷において顕著に出る傾向があります。観察者は安定的な光源下のもとで固定された角度で判断をしない限り、評価のばらつきやすく主観的な評価になってしまうのが現状です。
視覚・目視に沿ったムラ・モットリング計測
クラウドランナーは、ムラ・モットリング評価を数秒で計測が完了し、開発・設定はもとより製造現場でも生産タクトを増やさず測定が可能です。測定は翻意を転がすだけで完了するスピーディーさ。またサンプルサイズや目的のムラ・モットリングのサイズによってスキャン長を任意で設定が可能です。また、曲面サンプルにも対応しており平面と曲面のサンプル違いで計測したデータは相関が取れるように自動で補正されています。 計測されたデータは、各モットリングサイズ別に表示されるほか、目視との相関があったテクスチャー(Texture)値も表示されるので、品質管理や評価がしやすいデータをご用意しています。
目視とデータの相関が合う3角度での計測
ムラ・モットリングを客観的に評価するには、広い面積でかつ異なった角度で明るさの変動を測定する必要があります。クラウド-ランナーは、表面スキャンを行い、反射光の変化を測定します。試料に対し照射角度15°で白色光LEDで照明し、15°45°60°の3角度で明暗で検出します。これは、角度でムラ・モットリングの見え方が変化する為、そりに合わせて表面反射で測定した15°、45°、60°の異なった観察角度での評価シミュレーションを行うためです。スキャン長は10cmから100cmの一定の距離の表面を転がって各点における明るさの変動を測定します。
■搭載スケール
Mottle Size / 最低スキャン距離
Md 6 – 13 mm
Me 11 – 24 mm
Mf 19 – 42 mm 130 mm
Mg 33 – 72 mm 230 mm
Mh 57 – 126 mm 420 mm
Mi 100 – 200 mm 750 mm
LM Mf,Mg,Mhの各値を計算したロングモットリング値
SM Md,Meの各値を計算したショートモットリング値
M 各角度別のモットリングの値
T SMとLMの量の最適なバランス値
データと目視の相関が得られる「モットルチャート」を搭載
クラウドランナーでは短波長(SM)と長波長(LM)のバランスをスケール化した「モットルチャート」を搭載しています。 モットリングチャートを使用すれば、各モットリングサイズを気にすることなく、簡単に目視と合った定量が可能になります。
PC専用ソフトを標準でバンドル
オプション料金無しで専用ソフトウェア「smart-chart process」を標準でバンドル致します。測定器に保存したデータはPCへ転送を行い結果を表示。一覧表やグラフ・テストレポートとして出力が可能。またMicrosoft® Excel®と連携し、データを.xlsとして出力出来ます。 ※1 ソフトはダウンロード版になります。ライセンスはインターネット認証により、process用アカウントを2ライセンス分付与致します。
本体で計測されたデータは、ドッキングステーション経由でPCへ転送が可能です。転送されたデータは、一覧の表示の他モットリング別やモットルチャートなど直感的に分かりやすい表示になっています。
測定データやオーガナイズデータは、簡単にグラフで比較が可能です。サンプル単位・部位単位など比較したいサンプルごとに並べ、折れ線グラフにて軸のずれを見る事でいつ・どの部位でどの程度変化したか?を瞬間的に判別が可能になります。特に日々の安定性を管理するのに最適なグラフです。
smart-chartでは、測定手順や順番を予めプログラムしオーガナイズする事が可能です。これにより、どのデータがどの部位で計測したか?をその都度登録し直す必要がななくなり、作業の効率化が図れます。また、スタンダード設定後しきい値を登録する事で合否判定機能も備わっています。
smart-chartに保存されたデータは、MIcrosoft® Excel®へ表形式で出力が出来ます。また、グラフィカルなグラフやデータは、レポートとしてPDFファイルへ出力が出来ます。
基本情報
QCおよびトラブルシューティングのための客観的かつ高い信頼性のある測定器
- 非3角度の条件で小〜大のサイズのムラ(モットル)を測定します
- 走査長は10cmから100cmの範囲で変えられます
- 色や曲率に影響されない客観的な測定結果が得られます
生産ラインで使用できる理想的な測定器
- 小型で軽量
- 平面および曲面 半径>500mm
- 1000測定値の大容量メモリ
- PCへのデータ転送-USBポート
- ソフトウェアsmart-proccesでのデータ管理・解析
製品情報
製品名 | クラウドランナー |
---|---|
カタログNo | 6350 |
Cloud Size | Md: 6 to 13 mm |
Me: 11 to 24 mm | |
Mf: 19 to 42 mm | |
Mg: 33 to 72 mm | |
Mh: 57 to 126 mm | |
Mi: 100 to 200 mm | |
測定時間 | < 4秒 |
メモリー数 | 1000測定数 |
インターフェイス | USBポート |
スキャン長 | 10 から 100 cm, 1cm単位で設定可能 |
再現性 | 5% or > 0.5 |
器差 | 8% or > 0.8 |
サンプルの曲面 | 半径 > 500 mm |
解像度 | 25ポイント/cm |
光源 | 白色LED |
言語 | 日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語 |
電源 | 充電式バッテリーパック(約1,500回測定) |
稼働温度 | 10 – 40 °C |
保管温度 | 0 – 60 °C |
相対温度 | 35°Cで湿度85%以下,結露が無い事 |
重量 | 650g |
外寸 | 15 x 5.5 x 11 cm |
製品構成 | 本体、保護カバー、証明書(英語)、チェック用板、ソフトウェアsmart-chart process(ダウンロード版2ライセンス)、 ドッキングステーション、USBケーブル、専用バッテリー2個、取扱説明書(CD)、キャリングケース |
SMART-CHART動作条件 | OS : Windows 7 SP1, 8.1 or 10 、プラットフォーム : Microsoft® .NET Framework 4 SP1、 CPU : Core 2 Duo, 2.2 GHz;以上i7を推奨、メモリー : 4 GB RAM,以上8 GBを推奨、Excel version : 2002以上 ハードティスク : 空き容量2GB以上、モニター : 1280 x 1024ピクセル以上、インターフェース : USB |
■デモのご訪問及び無償お貸出しデモ機
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